タクミの帰宅塾

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人間関係において重要なのは適切な距離感!菅野仁著『友だち幻想』を読んだので主要部をまとめてみる

どうもこんにちは。

タクミです。

 

本日は、 

以前に読んだ本を改めて読み直してみたので、

紹介がてら内容を簡潔にまとめていきます

 

本棚から引っ張り出したのはこの書籍。

 

【 友だち幻想 】

-人と人とのつながりを考える-

 

クラスの友達からの、

四六時中繫がることの強要

(強迫的な同調圧力

 

はたまた陰口が行われる理由や、

そもそも友達ってなんなのか?

 

といった内容を、

分かりやすく解説していく

(おそらく中学〜高校生)

を主な読者層にした書籍。

 

とはいっても、この書籍の内容は、

社会人でも理解していない人間が多く

実に下らない社内イジメなどが

起きているのがこの世の中の現状。

 

今回は、そんな本のエッセンス部を

まとめながら主観も交えて

記事をまとめていこうと思います。

 

では参ります!

 


  

 


友だち幻想という言葉は、そもそもどういう意味なのか?

 

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友達って本当大事だよね!

 

一生・友情・不滅!!

 

みたいな価値観って、

本当に息苦しいですよね?

 

と感じているのは、

おそらくこの記事を書いている

自分だけではないはずです。

 

そもそも、書籍のタイトルでもある

友だち幻想』とは

どういう意味なのでしょうか?

 

書籍内では

 

自分のことを100%丸ごと

受け入れてくる人がこの世のどこかにいるはず

 

といった考えだったり、

 

この人は、

自分と価値観を100%共有できているはず

 

といった考えは、

(自己中心的な)

単なる幻想であると断じています。

 

というのも、

自分と価値観が100%共有できる人間は、

もはや他人ではなく自分そのものであり、

(ただの分身)

 

相手の個別的な人格を全く見ておらず、

自分が心地いいと思うような

独りよがりな態度であると考えられます。

(一方通行なコミュニケーション)

 

要は、友達幻想という言葉には、

「友人は人生を豊かにしてくれるはずの存在」

であるにも関わらず、

何故に本末転倒な現象が起きてしまうのか?

 

という問題提起が多分に含まれています。

 

こういった問題が起きる背景には、

日本人は

伝統的価値観に強く影響されている

という原因が挙げられます。

 


若者の方が、年寄りよりもムラ社会的価値観に影響されやすい

 

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同質性を重視される文化について

 

日本人に見られる傾向として、

同質性を重視する 」

 という点が挙げられます。

(異質な人間を受け入れない)

 

厳密に言えば、日本人は誰しもが

「同質性を重視」して

ムラ社会の価値観を引きずっているのですが、

 

人生経験を積んでいくうちに、

同質性をある程度理解した上で、

あえて関係を深めない

 という冷静な判断も下せるようになります。

(できない人も多いけど)

 

ここでいう同質性とは、

他の人間と同じように振る舞うべき

というような、

伝統的日本の価値観を指します。

 

ただ、この同質性とやらに関しては、

個人的に、

 

「若い世代ほど強い影響を受けている」

気がしておりまして、

 

例えば、

 

自分のコンテンツで稼いでいく!(もしくは稼いでいる)

 

とわざわざSNSで公言したり、

 

会社に縛られない生き方のために、オンラインサロン入りました!

 

と、わざわざ周囲に伝えてしまう人間は、

むしろ「没個性的」とも考えられ、

 

裏返せば強烈に「同質性」とやらを

重視している結果とも言えます。

(あえて他の人間とは違うアピールをしている)

 

なぜこうまで、日本人の価値観には

根強い同質性が植え付けられたのか?

 

それには理由があります。

  

かつての日本では、ムラ社会が重要視されていた理由

 

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そもそも同質性が重視されるのは、

人間が社会で生きていくための、

相互生命維持装置

としての役割が大きかったと言えます。

 

「大きかった」と過去形なのは、

現在は資本主義によるお金の価値が

すっかり根付いており、

 

(お金さえ持っていれば)一定の信用度とサービスの享受は担保される

 

ため、社会の中で一人で生きていくという

選択をすることも、

理屈の上では可能にはなりました。

(幸福度は関係ないものとします)

 

しかし、昔の狭い集落などの

単位で生活していた人間にとっては

異質性とはリスクでしかなく、

害をもたらす可能性がある人間だと認識してました。

 

あいつは何やらかすかわかんねーだ。みんな目を光らせておくように!

 

といった、村のおババだったり長老などから

受け継がれた価値観は、

安定した生活を送る上で、

一定の効果はあったと考えられます。

 

現在でも、

コミュニティの単位が比較的狭い、

学校や会社、はたまた地域社会などで

同質性が重視されるのは、

 

村のおババ的価値観の延長上と言えるでしょう。

(異質性が排除されるのは当然と言えば当然)

 

なので、一部のインフルエンサー(?)

が騒いでいるような

 

会社や学校が異質性を認めるべき

 

といった文化が決して根付くとは思えず、

 

他の大多数の人間の保護のために、

異質性を排除するのは

ある意味当然の行動と言えます。

 


よくある友達同士の問題について考えてみる

 

その場にいない人間の悪口を言う(スケープゴート

 

スケープゴート 】 

 

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元々は、旧約聖書に登場する

贖罪用のヤギのことを指す言葉。

 

人間の罪をヤギに背負わせて

荒地に放すといった意味がある。

(いわゆる宗教的生贄)

 

本来の意味から転じて、

人々の憎悪や不安、猜疑心など

 

負の側面を持つ感情を、

一定の対象に向けて、

矛先をずらすことを

「〜をスケープゴートにする」

 

といった表現をします。

 

その目的はシンプルで、

 

(その場にいない人間を排除することで)

目の前の相手との親密さなどを

再確認することが狙いとなります

 

ただし、デメリットも大きく、

いつ自分が排除・攻撃対象にされるか

分からないといった不安感がお互いに増幅して、

より凝り固まった人間関係になりがちです。

お互い監視するような、緊張状態の形成

 

メール即レスの強要問題について

 

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いわゆる LINEの既読スルー

言われる行為について。

 

これはスケープゴートの発展形

捉えることが可能で、

 

陰口言われるのが嫌だから返信しておこう

 

ハブられたら生きていけない!

 

といったように、

本来好ましいものであるはずの友情が

強迫的なプレッシャーになってしまう現象。

 

(考えてみれば滑稽な話で)

いつでも読めていつでも返せるのが

メールの利点なのに、

なぜか自分たちを苦しめるツール

になっているとしたら、由々しき問題ですよね?

 

こういった現代人の悩み、

社会的性格や傾向について、

アメリカの社会学者リースマンは

 3つの類型に分けて説明してくれてます。

 


アメリカの社会学者リースマンによる人間の社会的性格の3つの類型

 

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① 伝統指向型

 

伝統指向型とは、

近代以前の社会的性格が強いタイプ

 

自分がそう思うからといった

主体的理由ではなく、

 

昔からそうなっているから

 

だったり、

 

長がそう言っているから、従うべき

 

といった、

外面的権威や恥の意識で物事を決めるタイプ

と言えます。

 

② 内部指向型

 

自分の信念や良心に基づき、

いわゆる心の羅針盤に従って

行動するタイプの人間。

 

前述した伝統指向型と

後述している他人指向型との

中間に位置づけられている社会的性格

 

資本主義発展期の

仕事中心の社会に適していますが、

 

物の消費や人間関係に重点が移行した

大衆社会では、③の他人指向型が多数派

なると考えられています。

 

③ 他人指向型

 

周囲の他人やマスメディア

(はたまた SNS

に登場する同時代人を

行動規範とするタイプのこと。

 

自分の行動基準を

他者との同調性に求める人間

考えられます。

 

この他人指向型が

現代人に一番多い理由としては、

 

多くの情報が錯綜としていて

自分の考えが確立しづらい社会

で生きていくにあたり、

 

不安が増大してしまい、

他者と群れることで

不安を解決しようとした結果

 

だと書籍内では解説されています。

(不安の相互性)

 

ここで重要なのは、

他人指向型がいいとか悪いと

いった類ではなく、

 

他人指向型が多くなるのは

情報が多すぎる現代社会では

当然だという認識を持った上で、

 

その都度、

冷静に物事を見極めて判断していく姿勢

 

が求められているのかなと

(少なくとも)自分は考えております。

 


強迫的な友情「同調圧力」への対策は?

 

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現象を言語化しておくこと自体が対策の一つとなる

 

話としては分かったから、対処法早く教えてよ!

 

という方もいるかと思いますが、

まずは、今回の記事の内容を理解すること

自体が大きな対策の1つと考えられます。

 

というのも、

人間は理解できない状況に晒されると、

一種のパニック状態に陥ります。

 

裏返せば、自分の中でしっかり

何が起きているのか理解しておけば、

パニック状態に陥ることは未然に防げます

 

起きていることを理解する上で重要なのが、

 

状況や現象を言語化できるようにしておく

 

ということ。

 

例えば、

今回紹介している書籍内では、

常にSNSなどで繋がっていないと

友達ではないといった強迫概念に対して、

 

同調圧力」と読んで、

ある種の定義づけをしています。

 

また先ほど説明した

他人指向型という言葉もしかり。

 

こういった形で、

コミュニケーションにおける

語彙を増やしておくことが

非常に有効な対策法と言えます。

 

(コミュニケーション以外でも

当てはまる内容です)

 

友だち幻想という本が伝えたかったこと

 

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(これは自分の主観も入りますが)

 

誰とでも仲良くしなきゃいけないといった

考え方自体に、そろそろ疑問を持つべきだと、

少なくとも自分は考えております。

 

書籍内でも、

気が合わない人間とも

「並存」「共在」できるような

一種の作法を身につけるべきと提言しています。

 

簡潔な言い方をすると、

 

無理に関わろうとするから、お互い傷つけ合う結果に終わる 

 

ということを誰しもが理解しておくべき

ということです。

 

例えば、

小学校のクラス一つとって考えてみても

 

(言ってしまえば)

 

同じ地域に住んでいる、同年齢の集団

でしかないと考えることも可能です。

 

そんな集団においては、

気が合わない人間がいて当然ですし、

孤立する可能性も大いにあるというのが現実。

 

かといって、

気が合わないという理由で、

攻撃的な態度を示していては、

ストレスが増大する可能性も高まります。

 

例えば、気が合わない人間に対しては

挨拶だけ無難にしておいてやり過ごすといった

態度保留の姿勢をとることだったり、

 

少なくともクラスを敵に回すことなく、

適切な距離感を常にとっておくなど、

敵か味方かの二者択一を捨てることも

重要な考え方となります。

 

友だち幻想という過剰な期待を

捨て去り、他者は自分と同一の

存在ではないと認識する。

 

そういった姿勢から

異質性を受け止められるような自分に

変化していくことが大事なのかなと思います。

 


友だち幻想 まとめ

 

今回の記事のポイントはこちら。

 

  • 現代社会においては、他人指向型の人間が多い 

  • 自分と全て同一の価値観を持っている他者はいない

  • 同質性を重視する文化は、ムラ社会の「相互生命維持装置」としての名残り

  • 自分と合わない人間とも共存する作法を身につけるべき

  • 現象等を言語化しておくことは、いざという時の対策として有効

 

現代社会において)

人間が生きていくにあたっては、

対人関係の悩みはつきものですし、

全ての悩みの根源とも考えられる問題です。

 

対策というには、少々現実的になりますが

対人関係に過剰な期待を抱かない

というのは、非常に大事なことだと思います。

 

過剰な期待を抱かないというのは、

 

俺は人間を一切信用しない!

 

といった、

「人間関係を拒絶して引きこもること」

を推奨しているわけではなく、

 

自分の中の誇大幻想を捨てて、

他者とは適切かつ、

しっかりした距離感を心がけるべき

ということです。

 

関わろう関わろうとして事故るのは、

学生だけでもなく、

会社生活でもよくあるパターンです。

 

それだけ現代人が、

コミュニケーションに対して

過剰な期待を抱いている証拠とも言えます。 

 

他者と適切な距離感を保ち、

合わない人間とも共存していく

 

そういった作法を身につけることこそが、

真の意味での大人になるということ

なのかもしれません。

 

この記事が、あなたの

対人関係に少しでも役立てば幸いです。

 

また更新します。

そんじゃ、またね!

 

【 友だち幻想 】

-人と人とのつながりを考える-

 

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